【シンジュウエンド】26話「ライバル」ネタバレ ストーリー&登場人物│佑の服選び、都の好きな人
漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド26話「ライバル」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ
イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」26話の登場人物
羽住 鈴(はすみ すず)
18歳 高校3年生
父は交通事故により他界。母と二人暮らし。
毒親化した母親と距離を置く為、佐賀県の祖母宅で新しく生活を始める。
鈴田 佑(すずた ゆう)
高校3年生
鈴の転校先のクラスメイト
あだ名は『リンダ』
神童と呼ばれ、地元では有名な裕福な家の息子。
父はバイクショップ「バイクのリンダ」代表取締役社長。
父には愛人が5人おり、佑は正妻の息子で一人っ子。
愛人たちが生んだ佑の異母兄弟は総勢11人。
佐田山 都(さたやま みやこ)
高校3年生
鈴の転校先のクラスメイト
羽住 キヌエ(はすみ きぬえ)
73歳
鈴の父方の祖母
佐賀県で一人「羽住酒店」を営んでいる。
鈴が母元を離れてからは鈴の保護者となり、佐賀県で二人で暮らすようになる。
「シンジュウエンド」26話のストーリー(ネタバレあり)
シンジュウエンド26話「ライバル」は鈴、佑、都の3人で服を買いに行くお話です。
以下、シンジュウエンド26話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
26話「ライバル」
クラス中をどよめかせた佑の大変身。
しかし佑が気を引きたいのはたった一人、鈴だけだ。
家政婦のミドリの助言通り、服を選んで欲しいと鈴に伝え、OKを貰った佑。
超絶美形男子へと変貌した佑が、ただ一人の女生徒を誘っている。
後ろで二人のやり取りを見ていた都は焦った。
…何それ デートじゃん…!
二人きりのお出掛けなど、言語道断!
リンダとの付き合いは自分の方がずっと長いのに、ぽっと出の転校生とどんどん親密になっていく。
これ以上二人を近付かせたくない…これは…断固阻止…!!
どこに買いに行くか相談する佑と鈴に助け舟を出すのを口実に、都は二人の会話に割って入った。
大げさなくらい勢いよく右手を挙げて、うちが服屋を案内すると都は提案する。
都の母はアパレルショップでパートをしているのだ。
母のお陰でデートを阻止する大義名分ができた。
「3人で!行こうで!!」
佑も鈴も返事をしない内に、3人で行くと都が決めた。
放課後、3人が訪れたのは「パッションセンターしまもら」
郊外の幹線道路沿いなどに出店しているアパレルのチェーン店だ。
学生から中高年まで幅広い年齢層の足先から頭まで、様々なファッション商品を取り扱っている。
都の母はこの店で店員として働いていた。
都が佑と鈴を母に紹介すると、佑の変わりように新しい友達かと勘違いしていたが、都がリンダだと伝えると、「韓国のアイドルみたいだ」と母は驚く。
そして佑に対し「お父さんをテレビで見た」「お母さんは帰って来てる?」と早口で捲し立て、困った事があったらいつでも相談して!と佑の返事を待つことなく喋り続けた。
悪気は無いのだろうが、鈴の転校初日、佑の内情を勝手にペラペラと喋り出した都と同じだ。
この母にしてこの子あり。
母子で髪型もそっくりで、似た者親子である。
今も母のマシンガントークに何の違和感もないのだろう、都は母の後ろでにこにこと話を聞いていた。
しかし佑は明らかに表情を失くし、「無」という感じである。
「……」
鈴は話題を変えようと自己紹介を挟み、それとなくメンズコーナーの場所を聞いた。
都の母の興味は佑から鈴に移ってくれ、ようやく目当ての売り場に行けそうだ。
都の母を佑から離すために行動してくれた鈴。
それに気付いた佑は、鈴の気遣いが嬉しかった。
都の母は業務に戻り、3人でメンズコーナーを物色する。
けれど鈴の心はモヤモヤし、あまり集中できなかった。
鈴田家はテレビCMに父が出演していたりと、この辺りでは有名な一家だ。
それに伴って複雑な家庭環境も噂の種なのだろう。
誰もが知る企業の裕福な家の息子。
それは例えば芸能人のゴシップを面白がる心境に近いのかもしれない。
都の母も、いつでも相談してと親切心から言っているのは分かる。
しかし、いわゆる「一般的な家庭の子」が、同級生の親にそんな事を常々言われるだろうか?
佑の家族事情は当たり前のように周知され、干渉され、興味本位で詮索される。
佑はずっとそんな環境に置かれていたのか…。
鈴は服を選べるような心境では無かったが、佑と都は着々と物色していたようだ。
佑はドラゴンをあしらった黄色のアウターを、都はイカつい熊のイラストとロゴがついた赤いタートルネックを、それぞれ鈴に見せて来た。
どっちもダッセェし、まじでやだ。
佑はいつも母や家政婦に服を買ってもらっていると言っていたから分からないでもないが…まさか二人してとんでもないファッションセンスの持ち主だったとは。
鈴は手近にあった服の中からくすみがかった淡いブルーのトップスを手に取った。
佑はブルベ冬っぽいから寒色系が似合いそう。
このトップスに下は黒スキニーを合わせて大人っぽくするのはどうかな。
そう提案した鈴のコーデに、都は即座に物申す。
リンダは顔が濃いから赤色など強い色が似合うと思うし、無地なんて面白みがない!
都はどうしても佑にクマの赤ニットを着てもらいたいようだ。
確かに鈴の選んだコーデは無難すぎるかもしれないが、佑の強すぎる美形にはシンプルな装いの方が引き立つと思うのだが…。
とは言え実際に着てもらわないと似合うかどうかは分からない。
急遽、鈴と都がスタイリストとなり、佑の全身コーデ対決を開催する事となった。
鈴と都は試着室に入った佑を待つ。
佑が着替えている間、都が小声で彼氏はいるのかと聞いてきたので、鈴は照れながら片思い中だと都に告げた。
鈴の想い人は東京にいる7つ年上のかっこいい、あの人。
真志に関しては思い浮かべるだけでも顔が赤くなってしまう。
鈴の好きな人を聞いた都は、自分の好きな人も鈴に教えてくれた。
「うちはねっ 小学生の頃から その… リンダが好きっさね…!」
「え!?」
小学生からだとかなり長い片思いだ。
しかし佑は変わり者だし、好かれているなんて気付いていないだろうと都は言った。
高校を卒業すればクラスメイトとはどうしたって離れ離れになってしまうだろう。
それは理解できるが、都は思ってもみない質問を鈴にしてきた。
「そろそろコクろうかなーって思っとるんよ
…よかよね?」
「……え」
言葉だけ捉えれば『良いよね?』と鈴に聞いているのだろうが…
それは、タイミング的にそろそろ告白するべきか鈴に相談しているのか、
それとも、佑へ告白しても良いか、鈴に許可を求めているのか?
どういう意味で言われたのか判断が付かない鈴が返答に窮していると、着替え終わった佑が試着室のカーテンを開けた。
まずは先行、都の選んだコーデで登場だ。
星柄のキャップに黒のアウター。
アウターから覗くのはイカつい熊の赤ニット、下はベージュのズボン。
奇抜な組み合わせだと思っていたが、佑の顔がいいからなのか、想像していたよりは着こなしている。
佑自身は何とも言えない表情をしていたが、次のコーデに着替える為、佑は再び試着室のカーテンを閉めた。
佑が服を脱ぐゴソゴソとした音が聞こえ始めると、都は先ほどの続きを小声で喋り始めた。
「2人が友達なのはわかるっちゃけど…ごめんけどヤキモチ妬くっさね
できれば…もう2人っきりで遊んだりせんでくれる…?」
「……え」
もし、好きな人が誰と親密にしていたら、きっと鈴だってヤキモチを妬くだろう。
だから都の気持ちも、言いたい事も分かる。
けれど…前の学校で友達を失くした鈴が、転校してきて初めて出来た友達だ。
たった1か月ではあるけれど、佑と過ごす毎日は本当に楽しいし、大事に友情を築いてきた。
都はクラスメイトだし、不快にさせたいわけじゃない。
でも、都の気持ちを尊重し、佑との友人関係を遠慮しなくてはいけないのだろうか…?
正直、都よりも佑を優先したい、それが本音だ。
そもそも鈴には好きな人がいるし、佑は友達なのだ。
佑とはこれまでと同じように友達でいたい。
男女でも友情はあって…鈴がそう言おうとした時、試着室のカーテンが開いた。
グレーのアウターにグレーブルーのトップス、細身の黒いパンツ。
落ち着いた装いは佑の雰囲気にピッタリだ。
鈴と都は声を合わせて太鼓判を押した。
かっこいい優勝。
すっかり日も暮れた頃、佑に似合う服を一式買えて大満足の3人は、家路に向かうバスに揺られていた。
佑は全身揃えて1万円以下だった事に驚いていたが、高校生なら妥当な金額だろう。
佑の私服の17万のアウターや、19万のTシャツが異常すぎるのだ。
そんな服を着ている高校生などほぼ皆無である。
高級な服を普段使いできる金持ちは怖ろしいと心底思うが、佑の家のような「持つ者」と庶民の感覚の違いも怖ろしい。
これまで佑は服を与えられるままに着ていた。
それ故に一着十万円越えは当たり前だと思っていたわけだが、世間の相場とは随分かけ離れているのだと今日気付いてしまった。
一般人からすれば金に糸目を付けぬ生活を羨ましいと思ってしまうが、佑は佑で「普通になりたい」と願っているのだ。
佑が、友達がそう願うのならば、友としていくらでも付き合おう。
また普通の店に買い物に行こうと鈴は言った。
都もそれに同意する。
ただし、「3人で!」としっかり付け加えていた。
今日は楽しかった。
佑と都と、普通の高校生と同じように、放課後に遊びに行った。
ただ、都の佑への気持ちを聞いてしまった事だけは憂鬱である。
知ってしまった上で今までと同じように佑と仲良くしていれば悪者扱いされてしまうだろうか。
鈴がどう答えようと、聞いたからには鈴が遠慮すると見越しての牽制だろうか。
しかも都と佑が付き合う事になったら…佑とはもう遊べないかもしれない。
鈴がナーバスになりながらも祖母の酒屋に帰宅すると、祖母が奥から顔を覗かせた。
携帯を耳に当て、誰かと通話しているようだ。
鈴を見付けた祖母は電話の相手に「かわりましょうか」と言っている。
相手は誰だろう?
祖母と鈴を知る人物…
お母さん…!?
母とはまだ話したくない。
少なくとも今はまだ無理だ…!
鈴が慌てて首を振ると、祖母は笑顔でこう言った。
「うんにゃ 遠藤さん!」
え、遠藤さん…
遠藤さんって…!
鈴の飛行機代を祖母が真志に現金書留で送ってくれていて、届いたとお礼の電話をくれたらしい。
鈴からもお礼を言いたいでしょうと祖母は携帯電話を鈴に差し出した。
祖母の携帯は今もまだガラケーで、「遠藤真志さん」と通話相手が表示されていた。
まさか、今日真志と喋れると思っていなかった。
何の心の準備も出来ていない。
鈴は震える手で祖母から携帯を受け取った。
毎日スタンプのやり取りをしていたけれど、声を聴くのはあの空港以来。
真志と喋りたいとずっと思っていた。
スタンプしか送れないもどかしさの中、もっと会話をしてみたい、もっと知りたい、たくさん声を聴きたい。
そう毎日のように願っていたが、いざその時がやってきたら…。
嬉しい、どうしよう、待って、真志がこの電話の向こうにいる。
好きな人とお話できるってこんなに緊張するんだ…。
鈴は意を決し、祖母の携帯を耳に当てた。
「…も もももしもし…!」
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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