【シンジュウエンド】35話「追う恋よりも」ネタバレ ストーリー&登場人物│風邪の佑、都とイガグリ坊主
漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド35話「追う恋よりも」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ
イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」35話の登場人物
羽住 鈴(はすみ すず)
18歳 高校3年生
父は交通事故で他界。
母親と二人暮らしだったが、母親が毒親化したため佐賀県の父方の祖母宅で新しく生活を始める。
鈴田 佑(すずた ゆう)
高校3年生
鈴のクラスメイト
あだ名は『リンダ』
神童と呼ばれ、地元では有名な裕福な家の息子。
父はバイクショップ「バイクのリンダ」代表取締役社長。
父には愛人が5人おり、佑は正妻の息子で一人っ子。
愛人たちの子供(佑の異母兄弟)は総勢11人。
佐田山 都(さたやま みやこ)
高校3年生
鈴のクラスメイト
「シンジュウエンド」35話のストーリー(ネタバレあり)
シンジュウエンド35話「追う恋よりも」は、風邪を引いた佑の家へ都と一緒に向かうお話です。
以下、シンジュウエンド35話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
35話「追う恋よりも」
佑に告白された翌朝の教室。
「鈴田は今日は風邪で休みらしかー」
教壇に立つ担任はそう言って、受験生は体調管理に気を付けるようにと朝のホームルームを締めくくった。
昨日の帰り道。
佑が貸してくれた傘のお陰で鈴が雨に打たれる事はなかったが、そのせいで佑は雨の中を走って帰る事になってしまった。
しかも、鈴は佑を傷付けるような言葉を言ってしまったのだ。
昨日の出来事を思い出して鈴は一気に青ざめる。
…私のせいでは…?
慌てて机の陰で佑にメッセージを送ろうとスマホの画面に言葉を打つ。
しかし、その指はスマホを握ったまま止まってしまった。
真摯に告白してくれた佑に対して、どれほど真志が好きかを鈴は語ったのだ。
それがうっかり口から滑り出た言葉だったとしても、佑を深く傷付けただろう。
そんな自分が佑に「大丈夫?」なんて送れる立場ではないのだ。
ホームルームを終えた担任を追って、鈴は慌てて教室を飛び出した。
廊下で担任を呼び止め佑の容態を聞くと、微熱らしいと教えてくれた。
すると担任は丁度良かったという風に、帰りに佑の家へプリントと届けてくれないかと鈴に依頼した。
どうやら担任は佑から大学の資料を頼まれたらしい。
何でも志望校を東京の大学に変更するのだとか。
そう担任から聞いて鈴はハっとする。
そういえばバス停で佑に東京行きを引き留められた際、どうしても行くなら俺も第一志望を東京の大学にすると言われていたのだった。
まさか既に担任にまで言っているとは…。
佑は本気なのだ。
いざ佑の自宅へ。
下校時間になり、昇降口で鈴は意を決した。
佑とはしっかりきちんと話し合わなければならない。
祖母に助言された通り、佑のことは友達として大切だと伝えれば良いのだ。
そう決めて鈴が生徒玄関から出ようとした時、唐突に都から呼び止められた。
今朝、担任と鈴が話しているのを聞いていたらしい。
都は佑の家に一緒に行っても良いかと聞いてきたのだった。
担任から頼まれた資料を届けるだけならば誰と一緒に行っても同じだったのだが。
鈴は佑と真剣に話をするつもりだった。
しかし都は佑の事が好きであったし、その事は鈴も知っている。
その上、以前都から「二人きりで遊ばないでほしい」と釘を刺されていたのだ。
そんな都から「一緒に行きたい」と言われ、ダメと言えるはずがない。
鈴は都と二人バスに乗り、佑の自宅へと向かう事となった。
二人の気まずい空気がバスの車内に流れる中、都がぼそりと言った。
図々しくついて来てごめんなさい、と。
思ってもみなかった都の謝罪に鈴が慌てると、都は俯きながらこれまでの己の行動を振り返っているようだ。
どうやら都は言うべきではない事、やるべきではない事をつい勢いでやってしまい、後悔するタイプらしい。
ずっと想い続けていた初恋の人が突然現れた転校生に惹かれていて、どうしようもなく焦っていたのだと都は言った。
しかし、そんな事をする自分を性格が悪いと自覚しており、そうやってついやってしまう行為に、都は自己嫌悪に陥っていたのだった。
また、大切な初恋ではあったが、自分の事を好きにはならないと分かっている相手を追い続けるのは、不毛で辛い思いもあったようだ。
苦しくて、自分の事がもっと嫌になって、何もいい事はなく…華の女子高生なのに彼氏もできやしない…!
わなわなと葛藤する都だったが、鈴もその気持ちはよく分かる。
『絶対に自分のこと好きにならんってわかってる人』
鈴もそんな恋に心当たりがあり過ぎて、切なさで胸が締め付けられた。
「…でもね羽住さん うちクラスの田中から ちょっと言い寄られよるんよ」
都の告白に鈴は驚く。
クラスメイトの田中は野球部に所属しており、こんがり日焼けした肌に坊主頭で、『イガグリ坊主』という言葉がピッタリの男子だ。
そんな秘密を打ち明けてくれた都の頬はほんのり赤らんでいる。
何と先日も田中と二人きり部屋でお喋りしたらしい。
都いると楽しい、都の髪型が可愛いなんて、会話を盛り上げようと田中は一生懸命喋っていたのだとか。
そんな田中の話をする都の表情も満更では無さそうである。
そして都も、佑より田中と一緒にいる自分の方が素直で可愛い気がすると思ったようだ。
「「女は追うより追われる恋のほうが幸せになれる」とか言うやん?」
次の恋の蕾を見付けた都は清々しそうに鈴に笑顔を見せ、座席を立った。
佑の家に一緒に行くと言ったけれど、次のバス停で先に降りると都は言う。
「不毛な片想い勝負も 先に降りるけん!」
佑の家には鈴一人で行くのだ。
素直な自分でいられる相手。甘酸っぱいトキメキ。青春を共に過ごす恋人。
都にとってそれは大切な初恋の人ではなかったけれど。
意地になって『初恋』にしがみつくだけじゃなく、追われる恋を試してみたっていいんじゃない?
男は世界に35億!!
どこかで聞いたフレーズを嬉しそうに残し、都はバスを降りて行った。
ちょうどその頃、鈴田家の豪邸の一室。
佑は自室のベッドの上で、鈴はそろそろ来る頃だろうかと思いを馳せていた。
ベッドから体を起こし本を読んでいたが、風邪が治ったわけではない。
額には冷却シートを貼り、咳も出る。
目元が少し赤いのは、鈴を想ってか、それとも熱か。
鈴に告白したのは、つい昨日の出来事なのだった。
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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