【シンジュウエンド】19話「だいすき」ネタバレ ストーリー&登場人物│真志と未来の絆、書類整理三課で初勤務
漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド19話「だいすき」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ
イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」19話の登場人物
遠藤 真志(えんどう しんじ)
25歳 サラリーマン。
妻・敦子、娘・未来の3人家族。
妻の自殺により父子家庭となる。
ハーモニー光電 北町営業所に勤務していたが、SNSでの炎上騒動により本社の書類整理三課に異動となった。
遠藤 敦子(えんどう あつこ)
24歳 専業主婦。
夫・真志、娘・未来の3人家族。
愛称は「あっちゃん」
半年前、高校時代の恋人・三崎 コウキと同窓会で再会し、コウキが敦子を口説いたことにより不倫関係に発展する。
コウキとの心中により死亡。
遠藤 未来(えんどう みく)
1歳。まもなく2歳になる。
父・真志、母・敦子の3人家族
母の自殺により父子家庭となる。
三崎 コウキ(みさき こうき)
妻・三崎 舞華、娘・4歳
敦子の高校時代の恋人
敦子と不倫をしていたが、敦子と心中を図り意識不明の重体に陥る。
三崎 舞華(みさき まいか)
夫・三崎 コウキ、娘・4歳
SNSフォロワー8万人のインフルエンサー
アカウント名は「ダンシングフラワーマイカ」
吹田弁護士
真志の高校の同級生
吹田法律事務所を経営
「シンジュウエンド」19話のストーリー(ネタバレあり)
シンジュウエンド19話「だいすき」では、未来に敦子の死を伝える決心をした真志の新たな一日が始まります。
以下、シンジュウエンド19話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
19話「だいすき」
閑散とした早朝の空港。
鈴を見送り、真志は歩き出す。
鈴との出会いは運命の巡り合わせだったのかもしれない。
今はすごく晴れやかな気持ちになっている。
昨日までは本気で死のうと思っていた。
度重なる負の連鎖に心が折れて、絶望のどん底だった。
けれど少女の助けになれた事で、自分も生きようと思えた。
こんな事ってあるんだな。
やり切れない苦難に疲弊して、大切な家族でさえも残して命を絶とうとした。
でも今は心からこう思う。
娘のために しっかり前を向いて生きよう
あっちゃんの事をいつまでも恨んだり嘆いたりするのではなく、今を生きる娘と共に精一杯生きて行こう。
新しい道を歩む為のけじめをつけるように、真志は左手の薬指から指輪を外した。
今までうやむやにしてきた事を、しっかり未来に伝えよう。
空港から実家に戻った真志は、未来と正面から向き合う時間を作った。
未来と向かい合わせに座り、小さなその手を真志は優しく握る。
大事な話だから頑張って聞いて欲しいと真志が伝えると、未来は不思議そうな顔をしながらも、素直にうんと頷いてくれた。
未来はまだ2歳だ。
今から伝える事をすべて理解するのは難しいだろう。
けれど、嘘偽りなく、真実を、真志が未来を想う気持ちを、ありのまま伝えよう。
未来のママは天国に行ってしまった事。
天国に行った人とはもう会えない事。
けれど、ママは天国から未来をずっと見守っている事。
天国とは何か、未来は分からないようだったが、大好きなママともう二度と会えない事は伝わったのだろう。
真志がそこまで話すと「やぁだぁ…」と未来は首を振った。
見る見るうちに溢れた涙は、今にも零れ落ちそうだ。
真志も悲しい。
あっちゃんにはもう会えない。
未来も真志も、大切な人を唐突に失ってしまった。
真志は未来の小さな体を抱き寄せた。
己の悲しみも、未来の悲しみも、全部受け止め、共に包み込むように。
悲しい時は泣いていい、無理に明るく振舞わなくてもいい。
真志は未来を抱き締め今の思いを吐き出した。
そして、未来に一番伝えたかった事を、未来に伝わるように、懸命に話した。
ずっとずっと、パパは未来のそばにいる。
毎日これから先ずっと、パパと一緒に、泣いて、笑って、ご飯を食べて、遊んだりしよう。
真志と未来、お互い涙で滲む目を合わせ、気持ちを伝えあう。
パパは未来が大好きだ。
未来はパパの宝物だから。
一緒に頑張って生きて行こう。
どれほど真志が未来を愛しているか、言葉では言い表せないほどの愛情を、その全てを伝えたい。
真志の言葉を聞いた未来は、2歳児の拙い言葉ではあったけれど、未来なりに精一杯真志の笑顔が大好きだと教えてくれた。
真志の愛を一身に受けた未来は、もう一回ぎゅっとして、と真志に手を伸ばす。
真志はそれに答えるように、未来の小さな体を両腕で抱え上げた。
どこまで伝わったのか分からないけれど、これから何度でも伝えよう。
寂しさに涙を流して、悲しみの涙とともに愛が流れてしまっても、流した分だけ注ぎ続けるから。
大丈夫。
パパがそばにいる。
未来が大好きだよ、と。
きみを『不幸な子』になんて 絶対にしない
SNSでの炎上は事実無根だと反論したが訴えは聞き入れてもらえず、意に反し真志は本社に異動となった。
異動先は書類整理三課。
今日は配属された当該課への初出勤日だ。
朝一で真志は課員が集まる前で挨拶をした。
明るく元気に爽やかに。
「何卒よろしくお願いいたします!」と笑顔を見せた真志だったが、10人ほどいる社員たちは温かく迎え入れるどころか、誰一人として真志の事を見ていなかった。
全員が全員、俯き、机に目を落としたままだ。
自己紹介を盛大にスルーされた真志が焦り言葉を続けると、隣にいた女性社員に遮られた。
どうやらこの部署に交流や関心は必要ないらしい。
真志を遮った女性は淡々と業務内容を説明し始めた。
他部署が使う資料をホッチキスでとめる。
他部署から運ばれてきた廃棄書類をシュレッダーにかける。
毎日そんな感じで、と言う女性に、頑張りますと真志が意欲を見せると、女性は振り返り、何の精気もない目でこう言った。
「…頑張る場面はまったくないです」
ホッチキスとシュレッダーで一日が終わる。
そんな部署だから、と。
真志が配属された書類整理三課。
他部署から「お荷物社員の墓場」と呼ばれる部署。
不祥事を起こした社員たちの自主退職を待つ…いや、自主退職に追い込むための部署だ。
窓もなく、薄暗い倉庫のような部屋。
個別の机もなく、長机は2人で1つ。
机同士は向かい合わせにくっつけられ会議室のような状態だが、お互い目を合わせる事も無く視線は落ちたまま。
一様に暗い面持ちだが、不祥事の内容は多岐にわたり、真志はSNSでの炎上。
業務を説明してくれた女性・山下は上司と不倫。
他の社員たちはパパ活バレやパワハラ、経費の使い込みなどなど…。
そうしてやらかした社員たちはこの部署に押し込まれる。
社屋の隅に追いやられ臭い物に蓋をされ、どうでも良い仕事を与えられ、自ら退職するように会社から無言の圧力を受けるのだ。
陰鬱な空気だけが流れるその部屋で、真志は静かに自分の席に着いた。
社員たちから発せられる負のオーラによって、室内の空気は重すぎるほどに重かった。
しかし、真志は自らを奮い立たせる。
俺はこの空気にのまれない…!!
娘の為に生きていくと覚悟を決めた父は強かった。
目も止まらぬスピードでホッチキスを操り、高速で資料をシュレッダーに流し込む。
そしてAM11:30。
真志に与えられた仕事は全て終わった。
さあ次だ!
「山下さん!すべて終わりました!!次は何をすれば」
「では今日の仕事はもうないです」
真志に背を向けたまま、定時まで座っているようにと山下は言った。
それが私たちの仕事です、と。
ホッチキスの針が紙を貫くバチンという音だけが響く室内で、真志は立ち尽くした。
何のやりがいもないこの仕事。
やり切れない思いだけが溢れてくる。
だが、腐ってはいられない。
真志の笑顔が大好きと言ってくれた未来の顔を思い出し、真志は歯を食いしばった。
先ほどからずっと気になっていた。
切れた蛍光灯が放置されていることを。
薄暗いから気分も余計に滅入るのだ。
蛍光灯を取り替えたいと声を上げた真志に、頼んではいるが後回しにされ交換に来てもらえないと山下が教えてくれた。
それなら…。
僕がやりますと真志は部屋を出た。
目指すは1階の備品庫だ。
備品庫の棚の最上段に替えの蛍光灯を見付けたが、脚立は見当たらなかった。
真志は蛍光灯を掴もうと出来る限り腕を伸ばす。
真面目に!堅実に!
腐らず!明るく!
やれることからコツコツと!!
「真面目に志を持って生きろ」と両親が名付けてくれたこの名の通り!
地道にやっていこうじゃないか!!
伸ばしたその手に蛍光灯を掴む。
無事に取れたと一安心すると、同時にスマホのバイブが鳴った。
スマホを取り出し画面を見ると、吹田弁護士からの着信だった。
4コール目で応答すると、吹田から今大丈夫かと尋ねられ、真志は頷いた。
吹田が電話を掛けてきたわけは、どうやら舞華に関する事らしい。
アカウント名「ダンシングフラワーマイカ」こと三崎舞華は、敦子が浮気していた三崎コウキの妻だ。
以前、無茶苦茶な言い掛かりで真志から金を脅し取ろうと押しかけ、拒否した仕返しにSNSで真志を炎上させた張本人。
舞華のせいで真志は営業職を追われ、書類整理三課に異動させられたのだ。
そして今に至るわけだが、電話をしてきた吹田の話を聞くと、なんと吹田の元に舞華から連絡があったと言う。
炎上後すぐ、舞華の元には「今後同様の投稿で侮辱行為を行った場合は然るべき対処をとる」といった吹田弁護士の書いた一筆が届いているはずだ。
それ以来舞華と関りは無かったし、あれで終わったと思っていたが‥。
その後何か進展があったという事か…?
何の目的があって今さら吹田を通して連絡してきたのか。
逸る気持ちを抑え、真志は吹田の話を聞いた。
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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