【シンジュウエンド】14話「死ぬ前に」ネタバレ ストーリー&登場人物│鈴と真志の車内カラオケ

漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド14話「死ぬ前に」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ

イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」14話の登場人物

遠藤 真志(えんどう しんじ)
25歳 サラリーマン。
妻・敦子、娘・未来の3人家族。
ハーモニー光電 北町営業所に勤務。
妻の自殺により父子家庭となる。
羽住 鈴(はすみ すず)
18歳 高校3年生
父は交通事故により他界。母と二人暮らし。
「シンジュウエンド」14話のストーリー(ネタバレあり)

シンジュウエンド14話「死ぬ前に」は、真志が鈴の自殺を止めようと説得を試みるお話です。
以下、シンジュウエンド14話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
14話「死ぬ前に」


鈴を絶望に突き落としたのは、実の母の言葉だった。
高校を辞めて風俗で働く事を勧めてきた母は、もう人の親ではなくなっていた。
現に夜遅くまで帰って来ない娘を心配する事もなく、鈴のスマホに母からの連絡は来ていない。
高校生には打開し難いこの試練は、鈴の生きる力を削ぎ落してしまったのだろう。
鈴の置かれた窮状を聞かされた真志は、同情すると共に鈴の出した結論は早計過ぎるとも感じていた。
もちろん辛い現状である事は承知だが、大人になれば抜け出せる沼である事も真志には分かっていた。
子供の見る世界と大人の見る世界は違う。
子供の頃は自分の置かれた場所が世界の全てで、巣立った先の大空をまだ知らないだけなのだ。
小さな世界からその羽で、どこへでも羽ばたいて行ける事を。
『……死のうとして ここに来た俺が「救いたい」だなんて おこがましいけど…』

海を見つめる鈴の背中が、まだ幼い娘と重なって見えた。
いつしか成長した我が子が、鈴と同じような絶望のどん底に落ちてしまったら…真志は何を投げうってでも守るだろう。
助けたい。
そう思った真志の決断は早かった。
仕事で培ってきた営業力をここぞとばかりに発揮して、自殺を思い止まらせる術を思案する。
誰であろうと、相手の考えを変えるのは並大抵の事ではない。
真志は交渉におけるセオリーを脳内で反芻した。
傾聴し、受容し、共感すること。
現在の状況を鑑みるに、今するべきは「共感」だ。
真志は努めて明るく声を出した。
「…わかった
何かの縁だな!よし!一緒に死ぬか!」
真志の爽やかな笑顔と「死」というワードのギャップに鈴は面食う。
あまりにも唐突な提案に鈴は何も返せず固まっていたが、真志はお構いなしに軽快に話し出した。
やり残した事やしてみたい事はない?
最後にうまい焼肉でも食べに行く?
何がなんだかよく分からないが、鈴の胸は高鳴った。
「…じゃあ カラオケ行きたい!」

鈴が思っていたカラオとは違ったが、車内で急遽開催された二人だけのカラオケ大会は大いに盛り上がった。
行きたかったのはカラオケ店だが、未成年を深夜に入店させる事を真志が良しとしなかった為、カラオケ会場に選ばれたのは真志の車だった。
車に置いてあったワイヤレスマイクをスマホと連動させれば、簡易カラオケルームの出来上がりだ。
家族で車で外出する際に、敦子と未来がマイクで童謡を歌う…そんな過去を思い出したが、車内カラオケに乗り気になった鈴の歌は、真志の沈んだ気持ちを吹き飛ばしてくれた。
ぬるいモノマネはしないと言い切る鈴が歌う本気の桑田陽水は、宣言通りの熱唱だった。

お腹を抱えるほど笑ったのはどれほど振りだろう。
鈴のカラオケは真志を大いに楽しませてくれた。
再び崖の上に来た二人は、夜風に当たりながら缶コーヒーを飲む。
少女はこんなにも人を笑顔にさせる魅力を持っているのに、本当に死を選ぶしか道はないのだろうか。
カラオケ中の鈴は楽しそうだったが、自殺の考えは変わっていないようだった。
会ったばかりの人間が説得できるほど易しくはないと分かってはいたが…。
人生を終える直前に誰かの助けになろうなんて傲慢だったのかもしれない。
人間誰しも多かれ少なかれ「死にたい」と思う事はあるだろう。
しかし、全ての人が実行していたら社会はとっくに破綻している。
殆どの人間は「思う」だけで何とか耐えているのだ。
けれど、鈴は崖に来るという行動をとっている。
踏み出す手前に来ている。
それくらい心の均衡が今にも崩れ落ちそうな状態なのだろう。
それは真志にも言える事だが…。
そうか、どうせ二人とも死にたい気持ちが固いのなら…運命に賭けてみたっていいのかもしれない。
真志はポケットからおもむろに500円を取り出し鈴に見せた。

真志は鈴に提案する。
2人とも死ぬか、2人とも生きるか、
コインに委ねてみないか、と。
投げて裏だったら2人とも飛び降りて今すぐに死ぬ。
表だったら、2人とも何があっても寿命まで生きる。
これからの人生でどんな困難が待ち構えていようと、絶対に必死に生き抜く。
生き抜いた先に、いつかハッピーエンドを迎えられると少しだけ信じて、今は歯を食いしばって生きてみる。
どうせ死ぬのなら、スリルを楽しむエンタメにしてしまおう。
鈴がYESもNOも答えぬうちに、真志は手の平にコインを乗せた。
自分の命も、そして今日知り合ったばかりの真志の命も、たった1枚のコインで決める…!?
そんな決断を易々と出来る訳がないのに、真志は有無を言わさずコインを宙に放り投げた。
放たれた500円玉の行方を追うように、真志と鈴は夜空を見上げた。
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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