【シンジュウエンド】24話「再構築」ネタバレ ストーリー&登場人物│記憶喪失のコウキ、面会を阻む舞華
漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド24話「再構築」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ
イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」24話の登場人物
遠藤 真志(えんどう しんじ)
25歳 サラリーマン。
妻・敦子、娘・未来の3人家族。
妻の自殺により父子家庭となる。
ハーモニー光電 北町営業所に勤務していたが、SNSでの炎上騒動により本社の書類整理三課に異動となった。
遠藤 敦子(えんどう あつこ)
24歳 専業主婦。
夫・真志、娘・未来の3人家族。
愛称は「あっちゃん」
半年前、高校時代の恋人・三崎 コウキと同窓会で再会し、コウキが敦子を口説いたことにより不倫関係に発展する。
コウキとの心中により死亡。
三崎 コウキ(みさき こうき)
妻・三崎 舞華、娘・4歳
敦子の高校時代の恋人
敦子と不倫し、敦子と心中を図ったあげく意識不明の重体に陥る。
ようやく意識回復したものの記憶喪失を発症。
三崎 舞華(みさき まいか)
夫・三崎 コウキ、娘・4歳
SNSフォロワー8万人のインフルエンサー
アカウント名は「ダンシングフラワーマイカ」
羽住 鈴(はすみ すず)
18歳 高校3年生
父は交通事故により他界。母と二人暮らし。
毒親化した母親と距離を置く為、佐賀県の祖母宅で新しく生活を始める。
鈴田 佑(すずた ゆう)
高校3年生
鈴の転校先のクラスメイト
あだ名は『リンダ』
神童と呼ばれ、地元では有名な裕福な家の息子。
父はバイクショップ「バイクのリンダ」代表取締役社長。
父には愛人が5人おり、佑は正妻の息子で一人っ子。
愛人たちが生んだ佑の異母兄弟は総勢11人。
佐田山 都(さたやま みやこ)
高校3年生
鈴の転校先のクラスメイト
「シンジュウエンド」24話のストーリー(ネタバレあり)
シンジュウエンド24話「再構築」は意識の戻ったコウキに会うため、真志が病院を訪れるお話です。
以下、シンジュウエンド24話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
24話「再構築」
仕事中、真志のスマホに池田刑事からの電話が鳴った。
捜査に何か進展があったのかと思ったが、真志は池田から驚くべき話を聞いた。
なんとコウキの意識が戻り、あろうことか記憶喪失になっているらしい…。
終業時刻を迎え、真志は会社を飛び出した。
走りながら託児所に電話を掛け、未来の延長保育をお願いする。
焦る真志の様子に何かを感じたのか、もしくは決まりなのか、保育士から理由を尋ねられたが、本当の理由など正直に言えるわけがない。
妻と不倫した挙句に心中した男が生き残り、意識不明から回復したと思ったら今度は記憶喪失などどのたまっているので、ちょっと戦ってきます!!
なんて言えるか…ッ
真志は「仕事が長引きそう」ともっともらしい理由をつけて電話を切った。
三崎コウキ…。
あんな事をしておいて記憶喪失だと?
すべてを忘れましただと?
ふざけてる…!
責任や罪から逃れるための嘘じゃないのか!?
もし仮に本当だったとしたら、不倫した記憶のない奴から慰謝料はとれるのか…!?
もし本当に覚えていないのなら…この怒りはどこに、誰に向かえばいい…?
……っ
今はまだ分からないが、まずはコウキに会わなければ…。
俺から妻を奪い、娘から母を奪い、そうまでして敦子と二人で生きたかったんだろう…!?
それなのに、なぜ、奪い取った罪を二人で背負い償い、歩んでいかなかったのか。
「愛し合っているのを認めてほしい、離婚して敦子を譲ってほしい」そう懇願し、土下座までしたのは、二人で幸せになりたかったからじゃないのか。
そうまでして願った事なのに、なぜ敦子を幸せにしてやらなかった?
心中なんて終わらせ方しやがって…!!
…待ちくたびれたぞ 卑怯者 三崎コウキ
直接対決だ…!
コウキが入院している病院に着いた真志は即座にコウキの病室に向かったが、真志を出迎えたのはコウキではなく、コウキの妻・舞華だった。
舞華とは和解成立以来のご対面だ。
和解の条件として「金輪際、遠藤家を思い出さないこと」としたが、真志が会いに来たのは舞華ではなくコウキだ。
しかし、コウキの病室前には舞華が立ちはだかっていた。
和解の時のしおらしさはどこへやら、舞華は「はぁ?」みたいな顔をして、「なんでわざわざそっちから会いにくんの?」とふてぶてしく腕組みをしている。
コウキが起きたと聞いたからコウキに会いに来たと言うも、真志が自分に会いに来たと言わんばかりにグチグチと喋り、話をまったく聞いていない。
挙句に「50万で許すって言ったじゃん」と和解金の理由も目的もまったく理解していなかった。
和解金はコウキを許す為の金ではなく、舞華が起こした誹謗中傷に対する金である。
まったく別物の話で、そもそも「コウキが目を覚ましたら本人に請求すればいい」と啖呵を切ったのは舞華自身だ。
わざわざ敦子の葬儀にまでやって来て真志から金を脅し取ろうとし、コウキから金を貰えといったのは舞華だろう。
だから約束通りコウキが目覚めるのをじっと待ち、こうしてやって来たのだ。
忘れたとは言わせない。
コウキは記憶喪失だと聞いているが、そうだったとしても真志と未来から敦子を奪ったけじめは本人につけてもらいたい。
そう真志が詰め寄ると、話が通じないモンスターだった舞華もさすがに言い返せなくなったのか、ばつが悪そうに俯いた。
舞華だってさすがに自分が言った事は覚えている。
しかし…
今のコウキは敦子の事をすっかり忘れ、舞華に向き合ってくれている。
怪我の功名と言うには不謹慎だが、昔のように舞華が一番だったコウキに戻ったようで、それが本当に嬉しいのだ。
だから敦子の事は二度と思い出して欲しくないし、ましてや不倫して心中したなんて…それくらい敦子が好きだったとか、そんな記憶絶対に戻って欲しくない。
真志に会って事情を聞いたら思い出すかもしれない。
思い出さなかったとしても、そんな事実があった事を教えたくない。
だから、こんな事を言える立場ではないが、「コウキには会わずに帰ってほしい」と舞華は真志に懇願した。
「……」
舞華の気持ちもよく分かるし、同じ立場ならそう願ってしまうかもしれない。
けれど、真志はどうしてもコウキに会って話さなければならない。
敦子と未来と3人で作った大切な思い出たちは、まだ真志の心に残り続けている。
これから先も消える事はないだろう。
例えば…真志は敦子の作るカレーが大好きだった。
あっちゃん特製のペンギンカレー。
チキンカレーにすりおろしリンゴの甘みがあって、星形にカットされた人参が飾られ、ライスと海苔でペンギンが形作られていた。
カレーの海を泳ぐペンギン…なんてちょっと変かもしれないけれど。
可愛くて美味しくて、真志も未来もそんなあっちゃんのカレーが大好きだった。
でも、真志も未来も、もう二度とそのカレーを食べられない。
同じ材料で同じレシピで作っても、あのカレーはあっちゃんのカレーだから、同じものにはなってくれない。
あっちゃんがいて、真志がいて、未来がいる。
そこにペンギンカレーがあるから完成するんだ。
敦子に未練があるわけではない。
娘の為に生きると決めて、指輪も外した。
でも、この病院に来る途中、カレーの匂いがした。
たったそれだけで、幸せな思い出が絶望に変わり、必死で前を向いて生きようと踏ん張っているのに、そんな些細な事が敦子とコウキへの怒りを思い出させる。
やり場のないこの感情を自分の中でどう決着を付ければいいのか分からない。
だからコウキに一度会って話がしたい。
そう真志が訴えると、ふいに舞華の後ろの扉が開いた。
顔を覗かせたのは、渦中の人、コウキだった。
病室前で長々と話しているのが気になったのか、真志と舞華の話を扉の向こうで立ち聞きしていたらしい。
腕にはまだ点滴が繋がっており痛々しさは残っているが、それ以外に目立った外傷は無さそうだ。
コウキはすでに患者衣ではなく私服に着替えている。
…が、着ていた赤のチェックシャツは今まさに舞華が着用しているシャツとお揃いであった。
え、入院中なのにペアルックしてるの、この人たち…。
常識から逸脱した行為に真志が言葉を失っていると、話を聞いていたコウキがおどおどと話し始めた。
「僕は…あなたの奥様に何かしたんでしょうか…?
何も覚えてないんです…!」
コウキは真志に尋ねたが、コウキに余計な情報を与えてなるものかと舞華は慌てて間に入った。
この人はコウキが交通事故に遭った時、たまたま一緒に事故にあった女性の旦那で…
舞華のとっさの出まかせだったが、コウキは信じたのだろうか「奥様は…助からなかったんですか…?」と深刻そうな顔で真志に尋ねた。
「……っ」
助からなかったんですか、だと…?
お前と一緒に崖から身投げした敦子に対して、助からなかったのかと、聞いたのか?
厚顔な舞華もさすがにこれはマズいと思ったのか、もしくはこれ以上コウキに思い出すきっかけを与えたくないのか、無理やりコウキを病室に押し込み、外から扉を閉めた。
そして舞華は真志に向き直り、もう来ないで欲しいと深く頭を下げた。
気が済まないならコウキの慰謝料は自分が支払う、うちはこれから再構築していくから、お願いしますと。
必死に頭を下げる舞華を目の当たりにし、真志は何も言えなかった。
新たにやり直したいという家庭を壊してまでコウキに真実を伝えるべきなのか?
しかし、そもそもコウキによって真志の家庭は崩壊したのだ。
舞華は慰謝料は自分が払うと言っていたし、コウキも演技しているようには見えなかったが…
コウキも舞華も、真志の人生を壊しておいて己は再構築したいなど、どれだけ身勝手極まりない人間なんだろう。
利己的だからこそ、不倫したり、強請ったり、ネットに晒したり…そんなことが出来てしまうのだろうけれど…。
闘志を燃やし、真正面から戦うつもりでここまで来た…
だが、正直どうすればいいのか、真志は即座に決断できなかった。
いつものバス停。
待てど暮らせど佑はバス停に現れなかった。
このバスを逃せば次は2時間後。
さすがに遅刻する訳にもいかず鈴は仕方なくバスに乗り込んだが、結局佑はバス停に来なかった。
転校して以来、佑とは毎日一緒に登校していた。
お喋りしたり動画を見たり、そうやってバスの時間を過ごしてきたが今日は一人ぼっちだ。
佑がいないとやっぱり少し寂しい。
佑は遅刻?それともお休みだろうか?
鈴は佑を心配してメッセージを送る。
するとすぐに返事が返ってきた。
どうも髪の毛をセルフカットしたところ失敗してしまったらしく、出勤してきた家政婦さん(75歳女性)に髪を整えてもらっているらしい。
バスには乗れなかったが車で送ってもらえるようで、遅刻はしないで済みそうだ。
髪型の写真を送ってと鈴が送ると、すぐさま拒否の返事がくる。
そんな他愛ないやり取りをしていると、別のメッセージを着信した。
朝の7時過ぎ、いつもの時間。
鈴は真志からのメッセージを開いた。
真志から送られてくるのは毎度おなじみペンギンスタンプ。
昨日のペンギンは「いいね」と言っていたが、今日のペンギンは「おはよう」と言っている。
今日も真志と繋がれて嬉しい。
離れているけれど、真志はこのスマホの向こうで生活し、鈴の為にスタンプを送ってくれている。
好きな人から今日も届いた。
嬉しい…すっごく嬉しい………んだけども…!
スタンプだけじゃなく、真志とも会話をしてみたい。
最初はスタンプだけでも飛び上がるほど嬉しかったのに、満たされた人間はさらにその先を求めてしまうものなのか。
人間とはなんと欲深い生き物なのだろう。
真志にメッセージを送りたくて葛藤する鈴を乗せ、バスは学校への道を走った。
何とか己の欲を抑え込み、真志にメッセージを送ったりはしなかったが、それでも鈴はモヤモヤしていた。
自分の席に着いてからも、空港で交わした真志との約束を振り返り難しい顔をしている。
スタンプだけ、会話は無し。
それはどうにか真志と繋がりたくて自分から言った約束だ。
それを自分で破るのはどうかと思うが…しかし律儀に約束を守り続けていれば、真志とは20歳になるまで何もできない。
鈴はまだ18歳で、ハタチになるまであと2年もある。
真志は性格も良く外見も爽やかでカッコいい。
スタンプだけの関係を2年も続けている間に恋人が出来てもおかしくない。
空港で「早く大人になりたい」と願ったけれど…
これは本当にどうしたものか。
鈴が悩ましげにしていると、都がおはようと声を掛けて来た。
難しい顔をしていた鈴を気遣ってか、うちでよければ話を聞くと都は言った。
「うちね!こう見えて恋愛相談とか乗るの得意かとよ!
なんでん話してよかよぉ 口も堅かし!」
都は優し気に微笑んでいるが、
うーん…本当だろうか?
転校初日、初対面の鈴にぶしつけに転校理由を聞いてきたのは都だし、聞いてもいない佑の情報をペラペラ喋っていたのも都である。
…とは言え真志の事を誰かに相談したいとは思っている。
佑は恋愛の話とか苦手そうだし…。
じゃあいっそ打ち明けてみるか!
しかし、鈴が話し始めた言葉は即座に男子の大声に掻き消された。
一斉にクラス中が声のした方を振り返る。
そこには教室に入って来た佑の姿があり…
佑は誰もが驚く変貌を遂げていた。
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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