【シンジュウエンド】12話「出会い」ネタバレ ストーリー&登場人物│鈴の王子様、真志との出会い
漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド12話「出会い」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ
イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」12話の登場人物
遠藤 真志(えんどう しんじ)
25歳 サラリーマン。
妻・敦子、娘・未来の3人家族。
ハーモニー光電 北町営業所に勤務。
妻の自殺により父子家庭となる。
遠藤 敦子(えんどう あつこ)
24歳 専業主婦。
夫・真志、娘・未来の3人家族。
愛称は「あっちゃん」
半年前、高校時代の恋人・三崎 コウキと同窓会で再会し、コウキが敦子を口説いたことにより不倫関係に発展する。
コウキとの心中により死亡。
遠藤 未来(えんどう みく)
1歳。まもなく2歳になる。
父・真志、母・敦子の3人家族
母の自殺により父子家庭となる。
羽住 鈴(はすみ すず)
18歳 高校3年生
父は交通事故により他界。母と二人暮らし。
「シンジュウエンド」12話のストーリー(ネタバレあり)
シンジュウエンド12話「出会い」は、敦子が自殺した崖で真志と鈴が出会うお話です。
以下、シンジュウエンド12話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
12話「出会い」
子供の頃から思い描いていた。
ピンチに陥った時、白馬に乗った王子様が颯爽と現れ、悲劇のヒロインを救ってくれる。
赤い糸が導くように出会った二人は愛を育み、お城で幸せに暮らすのだ。
めでたしめでたし。
『…私の人生 そうはいかなかったけど』
日も沈み、闇に染まる海面を覗くように、鈴は柵から身を乗り出した。
可哀そうで不幸なヒロインが幸せを掴む事はなく…
今から死にます。
鈴の髪が夜風になびく。
制服のまま自殺の名所と呼ばれるこの崖にやってきた鈴は、まだ高校生。
いわゆる、うら若き乙女だ。
せめて、恋をしてみたかった。
人を好きになってみたかった。
鈴は頭の中に理想の王子様像を思い浮かべる。
爽やかな短髪でサッパリした塩顔が好き。
清潔感があって…
年上で落ち着いてるけど、笑うと可愛い人がいい。
普段はバシっとスーツを着こなして、
笑顔が素敵な…私の王子様。
そんな人に出会いたかった。
けれど、もう二度と出会う事はない。
…私は今から世界とさよならするのだから。
乗り出した身を崖へ傾け、鈴は現世へお別れを呟いた。
目を閉じ、あとは重力のまま落ちていくだけ…
「あ…危ない!!」
誰かの声が聞こえ思わず目を開くと、鈴の目に男性の姿が飛び込んできた。
「……え」
鈴が理解するよりも早く、男は鈴の足を掴み、そのまま二人で地面に倒れ込む。
引っ張られた勢いのまま地面に叩きつけられ、鈴の体に痛みが走った。
「……えっ
い…痛…」
痛いし、いきなりだし、何がどうなっているのか。
鈴が困惑していると、男は鈴を抱き起こし「何をしているんだ!」と声を荒げた。
「ケガはない!?」
鈴を叱りつけるような声音から一変し、男はすぐにオロオロと焦りだす。
地面に倒れた拍子に擦りむいたのだろうか、鈴の膝には血が滲んでいた。
救急車、スマホ、車…!と男は自身のスーツを慌ただしく漁っている。
彼は誰なのか、どうしてここにいて、なぜ鈴の自殺を止めたのか。
鈴には何も分からなかったが、男の慌てようは鈴の分も取り乱してくれているようで、鈴はなぜか落ち着いて彼の様子を見つめていた。
黒いスーツ、
会社員…だろうから年上、
髪は短めで爽やかな感じ…
顔は薄顔で、さっぱりしている。
これは、思い描いていたような…
「…どタイプ!!
え…やば 声も好き
どうしよう!恋!?」
「は!?」
今まさにこの世を嘆き自殺しようとしていたのに、なぜこのタイミングで恋に落ちるのか。
自分でも何を言ってるのか考えてるのかさっぱり意味不明だったが、突然訪れた胸の高鳴りを鈴は抑えられなかった。
女子高生からの意表を突かれる告白に男も戸惑っていたが、鈴の口から「自殺」という言葉を聞き、我に返る。
男は言葉を選びながら、若いのに自殺は親が悲しむと鈴を諭した。
親…。
鈴にとって、その親が人でなしなのだ。
親によって人生に絶望し、死のうとしていたと鈴は話した。
男は脱いだスーツの上着をそっと鈴の足に掛け、静かに語りかける。
俺にも娘がいるから、女の子が死のうとしているのを放っておけない。
力になれるかもしれないし、話を聞くから…と。
娘、いるんだ。
結婚指輪もしてるし、既婚者…?
一目惚れからの即失恋を食らいながらも、鈴は自身の事をぽつりぽつりと話し出した。
母がネズミ講にどっぷりはまり、それが噂になり学校でハブられている。
そして母が作った借金を返すため、卒業後は風俗で働けと母から言われた、と。
だから死にたかったと口にして、そうだった死のうとしてたんだと鈴は思い出した。
死にたいんだったと鈴は突然立ち上がり、柵を乗り越えようとするのを、男が慌てて止める。
ここに来たのは俺も死のうと思ったからで、今鈴がここで飛び降りると、女子高生と心中したと思われる。
それはちょっとイヤだからキミは帰りなさいと、男はめちゃくちゃな理論で鈴の飛び降りを止めて来た。
自分も死のうとしてるくせにえらそうだと鈴が言うと、男は気まずそうに首を掻き、妻がこの場所で不倫相手と一緒に死んだと教えてくれた。
「……え じゃあ おにいさんは独身…!?ってこと!?」
「そこ!?」
独身か、独身じゃないのか、
戸籍上はどうなんだ、
未亡人じゃなければ何と言うのか、
(未亡人 言い換え 男、で検索)
男かもめ?
男やもめだろ。
自殺しに来た者同士とは思えない軽いノリで鈴と男はツッコミ合っていたが、検索する為に出した鈴のスマホが待ち受け画面に変わると、鈴は一瞬黙り込んだ。
待ち受けにしていたのは、鈴と父が笑顔で写る写真。
その写真を見つめ、鈴は静かに話し出した。
男はこの崖に自殺しに来たと言っていたが、娘がいるとも言っていた。
つまり、彼が死ねば彼の娘は父を失う事になる。
鈴は父が大好きだった。
彼は娘が死ねば親は悲しむと言ったが、
鈴は父が死ぬのはすごく悲しい事だと伝えたかった。
なぜなら、鈴の父はもうこの世にいないから。
1年前、優しい父は交通事故で即死した。
青信号を歩いていただけなのに、信号無視をした高齢者の車によって。
そして父が他界し、母は徐々におかしくなった。
鈴はスクールバッグから1本のペットボトルを取り出し、男に見せる。
一見すると何の変哲もない500mlのミネラルウォーターだが、ラベルには見た事のない商品名が印字されていた。
『神が作りし奇跡の水
聖星水』
中身はただの水だが、万物を清める力があるという胡散臭い謳い文句付きで、1本1000円なのだと鈴は言う。
「この水でした ネズミ講地獄の入口は——…」
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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