【シンジュウエンド】15話「灯火」ネタバレ ストーリー&登場人物│500円玉コイントス、真志が繋げた鈴と祖母
漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド15話「灯火」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ
イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」15話の登場人物
遠藤 真志(えんどう しんじ)
25歳 サラリーマン。
妻・敦子、娘・未来の3人家族。
ハーモニー光電 北町営業所に勤務。
妻の自殺により父子家庭となる。
羽住 鈴(はすみ すず)
18歳 高校3年生
父は交通事故により他界。母と二人暮らし。
「シンジュウエンド」15話のストーリー(ネタバレあり)
シンジュウエンド15話「灯火」は、真志が放った生死を賭けたコイントスから始まるお話です。
以下、シンジュウエンド15話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
15話「灯火」
表だったら2人とも生きる。
裏だったら2人で死ぬ。
恨みっこナシ!と真志が放った500円玉は夜空に高く飛び上がった。
飛んでいくのも一瞬だったが、落ちてくるのも一瞬だった。
しかし、その一瞬、鈴は無意識に思ってしまった。
裏が出たらどうしよう、と。
裏が出たら死ぬしかない。
もう後戻りできない。
生半可な気持ちでここに来たわけじゃない。
けれどやはり…死ぬのは怖い。
心のどこかで、死にたくないと願っていたのだろうか。
本当に?
裏が出たら本当に死ぬの?
私も、彼も…?
落ちて来たコインが真志の掌に乗った。
しかし乗ったのは一瞬で、弾んだコインはそのまま手から飛び出した。
地面に着地したコインを止めようと鈴が慌ててしゃがむも、コインは逃げるようにコロコロ転がり、二人の間から崖下に放物線を描いて転がり落ちた。
暗闇で見失ったコインは波間にポチャンと音だけ残して消え去った。
俺の貴重な500円!真志が叫ぶももう遅い。
生きるか死ぬか、そんな命運を賭けた一投だったのに、え、あっ、え、うそ、と二人で慌てる間にどこかへ行った。
もし裏だったら死ぬことになっていたのに、500円で買えたであろう昼飯に嘆く真志に、鈴は吹き出さずにはいられなかった。
思わず笑いだす鈴に、500円あれば少年ジャソプも買えるしお菓子も買える!ジャソプの「海賊物語」は完結しそうだし、「狩り×狩り」も連載再開する!と、笑われた事が恥ずかしかったのか真志は500円の有難みを熱弁した。
真志が挙げた漫画を鈴も少しだけ読んでいて、鈴は無性に続きが読みたくなった。
そんな話をすると、死ぬなら全部読んでからにしたら?と真志が優しく微笑みかける。
鈴も真志に読んでから死ねば?と困ったように笑った。
さっきまで自分の人生に悲観し、死にたいと思っていたのに…こうやってまだくだらない事で笑えるんだと鈴は思った。
しばらくの沈黙ののち、真志がぽつりぽつりと話し出した。
いつになるかは分からないけれど、海賊物語を完結まで読んで、それでもお互い死にたいと思っていたら、その時はまたここに集まって、一緒に死ぬのはどうだろう。
真志が鈴に提案する。
コイントスで生死を決める方法よりもずっと現実的で…前向きな提案だと思った。
一緒に死ぬ約束を前向きに感じるのは妙な話かもしれないが、鈴の心に小さな光が差した気がした。
くだらなくても、日常の何気ない小さな喜びを灯火にして、もう少しだけ生きてみようと真志が微笑む。
「ほら 死ぬのなんて…いつでもできるし!」
確かに、死んでしまえば生き返る事はできないが、生きていればいつでも死ねる。
鈴は真志の考えを素敵だと思った。
だって、真志も辛くてここに来たはずなのに…また人生を歩いてみようとしている。
しかし、鈴は簡単に頷く事ができなかった。
ここで死ななかったとしても家にはあの母がいる。
学校でのイジメは続いているし、家を出る資金も無くなってしまった。
八方塞がりの状況に鈴はためらっていたが、そんなのは本気で逃げ出せばいいと真志は言い切った。
祖父母などの親戚はいないのかと真志に聞かれ、父方の祖母が佐賀に住んでいる事を伝える。
しかしそもそも疎遠で、父の葬式で会って以来のうえ、連絡先すら知らない。
知っているのは祖母が酒屋を営んでいることくらいだ。
真志は鈴から聞いた情報を元に酒屋の店名を検索に掛け、あっという間に祖母の酒屋を見つけ出す。
そこからはもう、あれよあれよという間の出来事だった。
祖母の名前を聞いた真志は酒屋が営業時間内である事を確認し即座に電話を掛け、鈴の祖母と話し始めた。
己の身分を明かし、鈴の事情を伝え、誠実に話を通してくれている。
誠心誠意、祖母と話す真志は、本当に鈴を守ろうとしてくれていた。
真志の説明を受けた祖母は鈴を保護したいと申し出てくれ、高校も転校すれば良い、明日すぐに佐賀までおいでと電話口の向こうで泣いていた。
気付いてあげられなくてごめんね、もう大丈夫と鈴を受け入れてくれた祖母の言葉に、鈴の目から涙が零れ落ちる。
一度溢れた鈴の涙は堰を切ったように流れ続けた。
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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