【シンジュウエンド】22話「目覚め」ネタバレ ストーリー&登場人物│敦子の薬・佑の家庭環境
漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド22話「目覚め」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ
イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」22話の登場人物
遠藤 真志(えんどう しんじ)
25歳 サラリーマン。
妻・敦子、娘・未来の3人家族。
妻の自殺により父子家庭となる。
ハーモニー光電 北町営業所に勤務していたが、SNSでの炎上騒動により本社の書類整理三課に異動となった。
遠藤 敦子(えんどう あつこ)
24歳 専業主婦。
夫・真志、娘・未来の3人家族。
愛称は「あっちゃん」
半年前、高校時代の恋人・三崎 コウキと同窓会で再会し、コウキが敦子を口説いたことにより不倫関係に発展する。
コウキとの心中により死亡。
三崎 コウキ(みさき こうき)
妻・三崎 舞華、娘・4歳
敦子の高校時代の恋人
敦子と不倫をしていたが、敦子と心中を図り意識不明の重体に陥る。
三崎 舞華(みさき まいか)
夫・三崎 コウキ、娘・4歳
SNSフォロワー8万人のインフルエンサー
アカウント名は「ダンシングフラワーマイカ」
羽住 鈴(はすみ すず)
18歳 高校3年生
父は交通事故により他界。母と二人暮らし。
毒親化した母親と距離を置く為、佐賀県の祖母宅で新しく生活を始める。
鈴田 佑(すずた ゆう)
高校3年生
鈴の転校先のクラスメイト
吹田弁護士
真志の高校の同級生
吹田法律事務所を経営
「シンジュウエンド」22話のストーリー(ネタバレあり)
シンジュウエンド22話「目覚め」では敦子が薬を服用していた理由が判明します。
以下、シンジュウエンド22話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
22話「目覚め」
コウキが舞華との結婚を決断した夜。
もう敦子の事は思い出さない、舞華だけを見る。
そう誓ったのに…
その約束は守られず、コウキは敦子と浮気して、あまつさえ心中を図った。
敦子は死んで、コウキは意識不明の重体。
最低なやつだ。
だけど、やっぱりコウキは死んでほしくない。
ベッドで眠るコウキの手を握り舞華がそう願うと、切なる思いが通じだのだろうか。
あの日から目を覚まさなかったコウキの瞼がゆっくりと開いたのだった。
舞華から返却された敦子のカバンの中には、保険証や医療費受給者証と一緒に母子手帳も入っていた。
ふと吹田が母子手帳に挟まっている封筒に気付く。
なんだろう?
真志がそれを取り出すと、白い封筒だと思っていたものは薬袋であった。
袋には敦子の氏名と共に「内用薬/レクサプロ10mg」と記載されている。
「…レクサプロ?1日1回…なんの薬だろ…」
通院しているなんて話は聞いていなかったが…
吹田がすぐに薬について検索してくれる。
ネットからの情報によると、どうやら抗うつ剤の一つであるらしい。
「遠藤くん…ひょっとして…奥さん うつ病…?心の病…だったとか?」
「……っ」
うつ病…!?
いや、そんな話は知らない…通院だって、そもそも薬を飲んでるところも見たことがない。
もちろん仕事に出ている日中に通院していたなら知りようがないが…それでもそんな素振りは無かった…はずだ。
一般論として、専業主婦は働く夫に悟られないよう1人で抱え込む場合も多いらしいと吹田は言った。
それにしたって…些細な事でも毎日話そうと結婚時に決めていたし、実際に敦子との生活の中でもそういう時間を取るように心掛けていた。
家事も、家にいる時間はなるべく率先してやってきた。
表面上は明るく笑っていた敦子だったが、実はずっとストレスを抱えていたのか?
それに気付いてあげられなかったから…自殺も…!?
自分が気付いてあげていれば、もっと気に掛けていれば…あっちゃんは死を選ばなかったかもしれない…。
そう自己嫌悪の闇に落ちそうになる真志の心を、吹田は必死に引き留めた。
もし仮にうつ病だったとしても、不倫してもいい理由にはならない。
まずは敦子が通院していた病院に行き、何に悩んでいたのか聞きに行こう。
吹田は母子手帳の間から見付けた敦子の診察券を見せ、力強くそう言った。
吹田と真志が訪れたのは「スズキメンタルクリニック」
営業時間外であったが、男性医師が対応にあたってくれた。
敦子が自殺した旨を伝えると、「救えなくて残念だった」と医師は言った。
敦子の診療内容は遺族の配偶者はカルテの開示要求ができるようで、吹田が間に入りうまく取りまとめてくれた。
しかし、男性医師は敦子の相談内容を真志に伝える事について、難色を示すかのように口ごもった。
どうやら真志とって良くない情報のようだ。
医師の態度に一瞬怯んだ真志だったが、敦子の鬱が自分の努力不足だったとしても受け止めると開示を強く主張した。
すると医師は「そういうんじゃないんだよ…」と拍子抜けするような話を教えてくれた。
真志は己の至らなさが敦子を追い詰めたと思い込んでいたが、敦子は医師に夫の事を褒め称えていたと言う。
真志は仕事をしているのに家事も育児も協力的で素晴らしい人格者だと。
そして、それに比べて自分は最悪だ、と。
イヤイヤ期の娘と2人きりの時は死ぬほどイライラし、育児も家事も自分は要領が悪い。
夫は何をしても完璧だが、専業主婦をさせてもらっているにも関わらず病んでいる自分にイライラする。
自己嫌悪で毎日死にたいと思い、その上、夫以外の男性に恋をしてしまった。
敦子は「完璧じゃないコウキくんと生きていくほうが私には合っている気がする」と泣いていたそうだ。
そうして話を聞いた医師は敦子を軽度のうつ病と診断し、薬を処方したのだった。
敦子の本心を理解できていなかったと覚悟はしていたが…
まさかそれが真志が夫として完璧すぎるが故に、敦子が心を閉ざしてしまっていたなんて誰が思うだろうか。
敦子を思い遣っての行動だったのに、何という皮肉な結果か。
思ってもみなかった敦子の悩みに、真志と吹田は絶句した。
晴れた空が広がる学校の屋上。
鈴が転校してきた初日、佑は鈴にヨーヨーを教えてくれた。
それから毎日、二人は屋上で一緒に遊んだ。
話をしたりヨーヨーを習ったり、鈴は新しくできた友達と一緒に過ごせる時間が心底楽しかった。
「よーい…どんっ!」
鈴は掛け声と同時にスマホ表示させたストップウォッチをスタートさせた。
目にも止まらぬ早さで攻略されていくルービックキューブ。
たった26秒で佑はルービックキューブの全面を揃えてみせた。
あまりのスピードに鈴は感嘆の声をあげる。
本当に何でも出来るんだ、と鈴が驚くと、佑は何でもは出来ないと言う。
しかし、50メートルのタイムを聞くと6秒2だと答えた。
陸上部で活躍していてもおかしくないレベルだ。
クラスメイトの都がテストもほぼ満点だと言っていたし、神童と呼ばれるのも納得の文武両道っぷりである。
けれど佑は部活動は気乗りがしないのだと言う。
鈴が家が好きなのかと聞くと、佑は無言でスマホを取り出し、とある動画を見せてくれた。
それは鈴も見たことがある有名なCM。
海をバックに大型バイクに腰掛けたタンクトップのワイルド系中年男性がギターを持ち、CMソングを弾き語りしている。
隣には外国人金髪美女が侍り、男性が歌い終わったと同時にフリップを掲げ、アハンと色気を振りまく。
世界観は意味不明だが妙に印象に残っている、中古バイク店「リンダ」のCMだ。
このCM面白いよねと身を乗り出した鈴に「…これ おれの父」と佑は言った。
ち・ち…?
「えぇ!?」
鈴が仰け反ると、外国人美女は父の愛人で、しかも愛人4号だと言う。
突っ込みどころが多すぎる事実に鈴は混乱したが、佑にとっては見慣れた反応なのか家族の事情を淡々と話し出した。
佑は正妻の息子で一人っ子だが、愛人4号キャサリンは現在妊娠中で、5号までいる父の愛人たちの子供を合わせると、佑の異母兄弟は驚くべきことに11人もいるらしい。
盆と正月は佑宅に愛人5号まで全員が集まり、大宴会が開かれるそうだ。
なんというカオスっぷり…。
幼い頃は分からなかったが、年を重ねるごとに己の家族の異常さに気付き始めた佑は吐き気を催すほどに嫌悪感を抱いた。
けれど、周囲から見れば佑も狂った家族の一員である。
あのCMだって他人から見ればただの面白おかしい娯楽だが、実の父が愛人と出演しているなど、想像しただけで寒気がする。
勝手に広がる噂によって、本人が望むと望まざるとにかかわらず佑の存在は悪目立ちしていったのだろう。
佑が神童と呼ばれるほど優秀である事も、悲しいかな、それに拍車を掛けているのかもしれない。
そうやって好奇の目に晒され、ぶしつけな詮索に合ってきた。
それならば一人でいる方がどれだけ楽か。
話し終えた佑は立ち上がり、ヨーヨーを始めた。
お金さえあればと思う事はあったが、金持ちでも苦労はあるのだなと鈴は思った。
狂った家族の子ども……か
「あ」
鈴は気付く。
佑と鈴の共通点。
だから何となく波長が合ったんだと鈴は目を輝かせ、佑に転校してきた理由を語った。
母の奇行と、それによるイジメ。
辛くて辛くて全てに絶望して、本気で死のうとしたけれど、
そんな鈴に「本気で逃げればどうとでもなる」と教えてくれた人の事。
真志の教えは、たった一人で踏ん張っている時は気付けなかった。
「だからリンダ…いや鈴田 佑も!
家族がイヤならいつでも逃げればいい!と!思う!
知らんけど!!」
他人事だから簡単に言えるのかもしれない。
事情もよく知らないで無責任だと思う。
でも、逃げる事で私が救われたのは事実だから。
鈴は明るく笑い、佑に早く見せたかった、ある物を右手に掲げた。
祖母にヤマゾンで買ってもらったマイヨーヨー。
そして練習していた、とっておきの技を披露する。
ストリングで三角形を作り、その三角形の中でヨーヨーを揺らす「ブランコ」だ。
ブランコは初心者が最初に挑戦する基本のトリックの一つだが、初心者向けだからと言ってそう易々とできるわけではない。
一週間で習得するとは素質ありだろう。
佑に褒められてよほど嬉しかったのか、誇らしげな顔をする鈴を見て、佑は変化する己の心境に気付いた。
父は女好きで愛人も大勢いる。
そんな父をこれまで軽蔑し、異性に興味を持つ事は汚らわしいとさえ思っていた。
しかし、不覚にも佑は生まれて初めて、異性を、女子を、可愛いと思ってしまったのだった。
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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