【シンジュウエンド】18話「友達」ネタバレ ストーリー&登場人物│転校初日、鈴と佑の出会い
漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド18話「友達」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ
イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」18話の登場人物
遠藤 真志(えんどう しんじ)
25歳 サラリーマン。
妻・敦子、娘・未来の3人家族。
ハーモニー光電 北町営業所に勤務。
妻の自殺により父子家庭となる。
羽住 鈴(はすみ すず)
18歳 高校3年生
父は交通事故により他界。母と二人暮らし。
毒親化した母親と距離を置く為、佐賀県の祖母宅で新しく生活を始める。
鈴田 佑(すずた ゆう)
高校3年生
鈴の転校先のクラスメイト
佐田山 都(さたやま みやこ)
高校3年生
鈴の転校先のクラスメイト
「シンジュウエンド」18話のストーリー(ネタバレあり)
シンジュウエンド18話「友達」は、鈴の転校初日のお話です。
以下、シンジュウエンド18話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
18話「友達」
鈴が祖母の元へ来てから、初登校の朝。
母からのメッセージで沈みかけた鈴の心を拾い上げてくれたのは、真志からのメッセージスタンプだった。
真志の存在は鈴の灯火。
「がんばろう」と送ってくれた真志の励ましを胸に、鈴は自分を奮い立たせた。
初めての挨拶は緊張するものだ。
ましてや何十人ものクラスメイトに見つめられながらでは、上手く言葉が出てこない。
男性の担任に促され、しどろもどろになりながらも鈴は簡単に自己紹介をした。
変な時期の転校生に対しどう思われるか不安だったが、クラスメイトたちは鈴の挨拶をにこにこと聞いてくれた。
残り5カ月の高校生活。
不安もあるだろうから仲良くしてあげようと担任が呼びかけると、生徒たちは素直に「はーい!」と大きく返事をした。
担任は教室の後ろ辺りを指差し、鈴の席を指定する。
「鈴田」の隣の席らしい。
鈴が鈴田と呼ばれた彼を見ると、そこにはバス停で鈴を無視したイヤホンの彼が座っていた。
担任が朝礼中だと言うのに、今朝と同じイヤホンを付けっぱなしである。
さっきの…!
担任が鈴田ー?と呼ぶもそっぽを向き、担任の言葉すら無視している。
悪いやつじゃないんだけど人見知りでクールガイだからと、担任は困ったように鈴に謝った。
担任もやれやれといった表情で笑っているし、本気で悪い人ではないのだろうけど…
あんなに面白い先生をシカトするなんて。
今朝の出来事もあり、鈴田に対する印象はあまり良くなかった。
鈴鈴同士で仲良くと担任には言われたが、仲良くできそうにない。
自分の席に着いた鈴は凄む目つきで隣の鈴田によろしくと言った。
さすがに隣で声を掛けたら無視するわけにはいかないだろうと思ったが、こちらを見る事もなくフル無視される。
鈴もこうなったら後に引けない。
意地になった鈴は「よろしく鈴田くん!!」と更に大声を張り上げる。
するとようやく観念したのか、少しの間ののち鈴田が鈴の方を向いた。
「……あぁ 「おっとろし発動チャンス!?ぬふっ」…の人か」
やっと喋ったと思ったら、第一声がそれ。
今朝の鈴の発言を一言一句違わず再現された。
ぬふっまで…!!
恥ずかしさで頭に血が上った鈴が「聞こえてたなら…っ」と声を荒げようとすると、遮るように鈴田が喋った。
「…声が すごく でかい…ですね」、と。
誰のせいで大声になっていると思っているのか。
それを差し置いての指摘に鈴の怒りは治まらない。
担任は悪いやつじゃないと言ったけど、すごくイヤな奴!
鈴が鈴田を睨んでいると、二人のやり取りをハラハラと見守っていた女生徒が鈴に声を掛ける。
彼女は「佐田山 都」と名乗った。
鈴田と小学校から一緒の都は、鈴田をリンダとあだ名で呼んだ。
鈴田はこれが通常で、悪気がある訳ではないと都は言う。
生まれつきの聴覚過敏でうるさい音が苦手だとも教えてくれた。
耳にしているイヤホンは音が鳴っているわけではなく、耳栓の役割もあるようだ。
イヤホンをすることで人から話し掛けられるのを防ぐ意味もあるらしい。
都は良かれと思い教えてくれたのだろうし、そこまでは良かった。
鈴田がイヤホンをしている理由は鈴にも共有し方が良い情報だっただろう。
しかしその後も都は聞いてもいない鈴田の情報を一方的に話し出した。
IQ182の天才でテストもいつもほぼ満点。家もお金持ちで…
お喋りが止まらない都に鈴の心がモヤッとする。
鈴には覚えがある、この嫌な感じ…。
誰かの情報を好き勝手に話す無責任さと調味本位の噂話。
それは、前の学校で鈴へのイジメが始まったあの時のように…。
…鈴のお母さんネズミ講してるらしいよ
…高い水売ってるらしい
『迷惑だから不登校になってもらおうよw』
陰で囁く女生徒たちの姿が鈴の脳裏にフラッシュバックする。
視界が真っ暗になる程に一瞬鈴の意識が遠のいた。
「……で 羽住さんは?」
ひとしきり鈴田の情報を喋り終わった都が、今度は鈴に興味を持ち始める。
なぜこんな中途半端な時期に転校してきたのか?
鈴は一瞬言葉に詰まる。
いずれ必ず誰かに聞かれるだろうと分かっていた。
だからどう答えるか予め考えていたし、それを答えればいいだけ。
それだけなのに…。
自分に向けられた好奇の目が鈴を動揺させ、用意したセリフすら上手く喋れない。
普通に話さなければ…
変な噂が立ったら…
黒く歪み、
それは拡がっていく…
鈴が言い淀んでいると、先ほどまで知らん顔を決め込んでいた鈴田が席を立った。
鈴と都の間を遮り、都に「喋りすぎ」と牽制しそのまま教室から出て行く。
一瞬呆気に取られた鈴だったが、鈴はすぐさま鈴田を追いかけた。
多分あれは、鈴を庇ってくれたのだ。
自分の話はスルーしていたのに、話題が鈴に移ると都のお喋りを止めた。
ぶっきらぼうだけど、担任の言った通り悪いやつではないのかもしれない。
鈴田を追いかけ廊下を足早に探すもその姿はすでに無かった。
慣れない校内に戸惑いつつも階段を登ると、階上の扉を開ける鈴田を見付ける。
外に出る扉のようだ。
あそこは、屋上だろうか。
鈴が恐る恐る扉を開けると、そこは予想通り屋上で、鈴田が一人立っていた。
後ろ姿で顔は見えないが、手に何かを持っている。
鈴田の指から伸びる糸、その先に回転するオレンジ色の小さな円盤。
シャーと音を出すそれは、鈴も見たことがある。
ヨーヨーだ。
鈴の存在に気付いていない鈴田は、両手にヨーヨーを持ち投げ始めた。
両手で器用にヨーヨーを投げ、事も無げに操っている。
それは鈴が知っているヨーヨーの動きではなかった。
「何それ すっっっごー!!」
思わず鈴は扉を開け放って叫んだ。
思ってもみなかった鈴田の特技に、魔法みたいだ天才だと鈴は興奮する。
しかし鈴に気付いた鈴田はヨーヨーを手元に戻し、何事もなかったかのように屋上から出ていこうとした。
誰にも見られまいとこんな屋上でしていたのだろうが、鈴はさきほどのヨーヨーをもう一度見たかった。
鈴田の腕を引き留め、鈴は見せてほしいと懇願する。
最初は嫌だと渋っていた鈴田だったが、かっこいい、私もやってみたい!と小さな子供のように目を輝かせる鈴を断り切れなかったのか、鈴にヨーヨーを持たせてくれた。
鈴田は手本を見せながら鈴に投げ方を説明する。
しかし、教わった通りに投げたはずの鈴のヨーヨーは全然上手く回らなかった。
本来なら縦方向に回転するはずのヨーヨーが、何故かコマのように横向きに回っている。
ヨーヨーを回すなんて簡単だと思っていたけど、めちゃくちゃ難しい…!
それでも真剣にヨーヨーに向き合う鈴に、鈴田も向き合う。
そして少し屈んだ眼鏡の隙間から、初めて鈴田の顔をちゃんと見た。
「……え?」
彼は驚くほどの美形だった。
眼鏡と髪に隠され想像もしていなかったイケメンっぷりに固まる鈴だったが、鈴田はお構いなしにヨーヨーを指導する。
冴えない長髪の眼鏡くんが実は美男子だったギャップに戸惑いつつ、鈴はヨーヨーに向き直った。
屋上の二人。
朝礼と1限目の間。
ヨーヨーを教わるには当たり前だがまったく時間が足りず、気付けば1限目を10分も過ぎていた。
初日から授業に遅れて先生に怒らるなんて、私は何をやっているんだろう。
けれど、屋上でのこの出来事は鈴の運命を大きく変えることになる。
ちょっと変わってて人見知りで、頭が良くてヨーヨーが上手い、そして実は美形だった鈴田佑。
彼と出会った事によって。
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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