【シンジュウエンド】13話「ネズミ講」ネタバレ ストーリー&登場人物│水晶と水を買う母、鈴の貯金

漫画「シンジュウエンド」は漫画アプリ「マンガMee」で連載のマンガMeeオジリナル作品です。
不倫、死別、晒し、イジメ、家庭崩壊など様々な理由によって死を選ぼうとしたサラリーマンと女子高生の物語で、著者はドラマ化もされた人気漫画「サレタガワのブルー」のセモトちか先生です。
この記事ではシンジュウエンド13話「ネズミ講」のストーリーと登場人物を分かりやすくまとめています。
彼らを絶望させた最低の人物、最悪の出来事とは?
どん底に落ちた人生を彼らはどうやり直していくのか?
「シンジュウエンド」の物語を詳しく解き明かします!
「シンジュウエンド」あらすじ

イケメンで爽やかな営業マン・遠藤真志25歳。
社内では若手のエースとして期待され、家に帰ればかわいくて優しい妻と、世界一愛らしい娘が出迎えてくれる。
仕事も家庭も順調そのもの。そんな幸せの絶頂だったある日、玄関に見知らぬ男物の靴があって…?
人生に絶望した男と、人生を諦めかけた女子高生の出会いがもたらす、“終わり”と“始まり” とは――。
『サレタガワのブルー』の著者・セモトちかが描く、読めば“死にたくなくなる”再生の物語。
「シンジュウエンド」13話の登場人物

遠藤 真志(えんどう しんじ)
25歳 サラリーマン。
妻・敦子、娘・未来の3人家族。
ハーモニー光電 北町営業所に勤務。
妻の自殺により父子家庭となる。
羽住 鈴(はすみ すず)
18歳 高校3年生
父は交通事故により他界。母と二人暮らし。
「シンジュウエンド」13話のストーリー(ネタバレあり)

シンジュウエンド13話「ネズミ講」は、鈴の母親が怪しいビジネスにハマっていく過程のお話です。
以下、シンジュウエンド13話のネタバレを含みます。
未読の方はご注意下さいね。
13話「ネズミ講」


交通事故で父が亡くなり母がおかしくなったと語る鈴は、スクールバッグから1本のペットボトルを取り出た。
真志にとってそれはただのミネラルウォーターだったが、これが全ての元凶だったと鈴の身に起きた出来事を教えてくれた。

在りし日の鈴の家族。
同世代の夫婦と比べ、鈴の両親は充分すぎるほど仲が良かった。
外出先では手を繋ぎ、夜は同じベッドで眠った。
娘の鈴が恥ずかしくなるほどに年甲斐もなくラブラブだった。
だから、父が急逝し、母が心を閉ざしてしまうのは仕方のない事だったと思う。

父が亡くなってからの半年間、母はずっと仏壇の前で父の写真と向き合っていた。
写真に語り掛けていたかと思えば突然涙を流し、父との世界に閉じこもっていた。
母の目に鈴の姿は映っておらず、何を話し掛けても無反応。
家事も全て放棄され、家には暗く重い空気だけが流れていた。
そんなある日。
鈴が帰宅すると、母が鈴の名を呼び「おかえり」と言った。
表情も何だか柔らかく、微笑んでいる。
母の変化に面食らった鈴がふとキッチンを見やると、見慣れない置物が目に入った。

「何?これ…」
母曰く、浄化作用のある希少な水晶で、邪気を清めてくれる力があるらしい。
パート先の野神さんが格安で譲ってくれたと母は嬉しそうに話した。
野神さん…
父の葬式でイチゴをくれたおばちゃんね…。
関西弁で圧強めな野神さんを思い出し、鈴は苦虫を嚙み潰したような表情になったが、母は鈴とは対照的に穏やかな顔をしていた。
この水晶が災いを防いで、鈴とお母さんを守ってくれる。
鈴と私の二人っきりの家族だから、これくらいのお守りは必要よね、と母は笑った。

こんなにも明るく笑う母を見るのはいつ振りだろう。
前を向き、悲しみを乗り越えようとする母。
鈴のために強くなろうと決意した母。
鈴は嬉しかった。
前の母に戻ったようで。
父の名残だけを見ていた母が、鈴の方を向いてくれた事が、本当に嬉しかった。
しかし、鈴はのちに知る事になる。
母が購入したあの水晶が、88万円もした事を。

父が亡くなり母が変わっていくきっかけを語った鈴は、改めてペットボトルを真志に見せる。
『神が作りし奇跡の水
聖星水』
水晶を購入した母が次に手を出したのがこの水だ。
ある日突然、鈴の家にこのペットボトルが大量に届いたと言う。
1本1000円の水が120本。
母が勝手に購入したこの大量の水は10万円を越す出費だったが、活き活きと嬉しそうな母を見ると鈴は強く言えなかった。
しかし怪しげな購入品は次々と増えていき、やたらと高額な物ばかりだった。
洗剤1本 2800円、
口紅1本 2万3000円、
天然石のブレスレットが8万円。
母の買った品々を真志に話しながら、鈴は手にしたペットボトルの蓋を開けた。
逆さにしたボトルから流れ出す水のように、口早に話す母の言葉が鈴の脳裏に蘇る。

『お母さんが紹介した人がこれらを買えば お母さんの販売者ランクに応じて売り上げの何%かお金がもらえるシステムらしいの!』
モノはいいし、すごい方達との人脈もできる!
野神さんはこれで月30万も稼いでる…
怪しくなんかない…!
最先端のビジネスだから、今度一緒にセミナーに行こう!
わかってよ鈴!
『お母さんは全部あなたを守るために』…!!

傾けたペットボトルから流れる水は、ドボドボと崖下へ落ちていった。
転がり堕ちる鈴の家庭のように、暗闇の底へと流れ落ちていく。
言うまでもなく、母のビジネスは大赤字。
父の生命保険で受け取ったお金は湯水のように消費され、あっという間に底をつき、ついには借金にまで手を出した母。
鈴の言葉さえ届かぬ母は常識の区別も付かない程で、鈴の授業参観で同級生の母親を勧誘していた。
そこからはあっという間にイジメの始まりである。
クラスメイトたちから無視され、持ち物は汚され、世話をしていた花壇は踏み荒らされた。
家にも学校にも味方はおらず、鈴は孤独だった。
しかし、それでも生きる事に耐えられたのは、高校三年生だったからだと鈴は言う。
あと少し我慢すれば卒業できる。
お年玉やお小遣いは貯蓄し、放課後はバイトに精を出した。
そうして貯めたお金を元手に家を出て、母から離れるのだ。
「私の人生は私のモノだから」
そう話す鈴のスクールバッグから覗き見えたノートには、辛辣な言葉が落書きされていた。
鈴は淡々と話しているが、壮絶なイジメであった事が窺える。
女子高校生が抱えるには重すぎる現実に、真志はやり切れない思いで息を呑んだ。
しかし、鈴のそんな小さな願いさえも、無残に打ち砕かれる。

ある日鈴が通常を開くと、貯めていたお金がごっそり引き出されていたのだ。
その額312,000円。
残高は千円にも満たない額だった。
鈴がコツコツと貯めてきたお金が、希望が、全て奪われていた。
引き出したのはもちろん母で、私のお金だと詰め寄った鈴に母は悪びれもせず言った。
あなたのお金だから、あなたの為にブレスレトと聖星水を発注しておきました、と。
鈴のために、鈴を思って…。
そう言いながら鈴から搾取する母は狂っている。
マトモじゃない母に何を言っても無駄だった。
これ以上こんな母と同じ空間に居たくなかった。
しかし、友達の家に行くと立ち上がった鈴を、母は笑った。
友達なんていないじゃない、と。
そして母は言った。
つらいなら高校なんて辞めて、お母さんのビジネス支えてよ。

「せっかくかわいく産んであげたんだから
風俗とかで働きなさいよ!
うちの借金なくなるまで…さ!」
鈴を見ながらそう言う母は、鈴を見ていなかった。
母が作り出した絶望から抜け出すため、鈴が必死に守り抜いた小さな光は、母のその手によっていとも簡単に失った。
消えてしまった。希望が。
真っ暗闇になってしまった。
起き上がる力すら残っていない。
「…あぁ もうダメだ 頑張れない
死のう
そう思ってここへ来ました…」
To Be Continued
セリフ引用:マンガMee
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